ライフコーチング”不安・恐怖症専門”カウンセラーの横井延昌(よこいのぶまさ)です。

先日、初めてカウンセリングを
受けにこられた
Tさん 38歳、(男性)の話です。
自動車の営業が仕事のTさんは、
職業柄、よく車の運転をします。
 ある小雨の夜の帰宅途中に、
事故をおこしてしまいました。
 民家の塀に衝突してしまったのですが、
幸い怪我人はなかったんですね。
しかし、それ以来Tさんは
運転に対して
少し神経質になってしまいました。
 「通いなれた道とはいえ、
夜の運転は気をつけよう。」
そんなことを考えながら、
交差点で信号待ちをしていた
その時です。
 突然めまいがして
車を止めてしばらく休んでから、
何とか自宅にたどりついたんですね。
翌日、Tさんは
総合病院の内科を受診しました。
 医師からは、
不安神経症と診断され、
精神安定剤が処方されたんですね。
 しかし、全く治る気配はなく、
不安な気持ちになるばかりでした。
 パニック発作を起こすと、多くの人が、
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 発作を起こした時の状況を病気の原因
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 と、結びつけて考えてしまうんですね。
パニック発作は3種類あります。
 1.原因がなく、
本人も予期していないときに、
不意に起こるパニック発作。
(パニック発作の典型的なタイプです。)
 2.特定の状況に直面したり、
それを予期して緊張が
最高潮に達する時に
起こるパニック発作。
(特定の状況に限って
起こるパニック発作。)
 3.1と2の両方の特性を持つ
パニック発作。
 Tさんの場合は、
2のケースだと思われるんですね。
しかし、Tさんが、
”事故とパニック発作の
因果関係を気にすることは、
かえってマイナス”です。
 なぜならば、
特定の状況で、
パニック発作を何度も経験するうちに、
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 自ら緊張感を高めて、
発作の起こりやすい状態を作ってしまう
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 んですね。
パニック発作が起こった状況を
発作の原因と思ってしまうと、
行動が制限されてしまいます。
 Tさんの場合は、
車の運転が出来なくなって
しまったんですね。
医学的には、パニック発作とは
”誘因なく、混乱する状態になることが
頻繁に起こる状態”
 このように定義されています。
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 私はまず、
 「Tさんは、パニック発作が起きたから
事故を起こしたのではないですよね。」
 「事故を起こしたから
パニック発作が起きたのでもない。」
 「起こしてしまった事故に
”とらわれて自律神経が乱れた”から
パニック発作が起きたのです。」
 と、これまでの話を
Tさんが理解できるまで
じっくりとお話をしました。
そして、
「パニック障害の治療にとても大切なのは
”とらわれない”こと。」
「誘因(きっかけ)なく、
起きるのがパニック発作ならば、
  自分から原因探しをして
”とらわれている”のは、
とても、もったいないんですね。」
「パニック発作に
”とらわれない”ためには、
”少しづつ、少しづつ”
始めることが大切です。」
「車の運転が
出来るようになるために、
少しずつ車に慣れていきましょうね。」
 するとTさんは、
「”少しづつ”が大切なのか、、、。
よろしくお願いします。」
 と、
治療に励むよう決心してくれたんですね。
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あなたも、もしかしたら
パニック発作の原因を探して
苦しくなってしまう時はありませんか?
大切なのは、
”原因探し”よりも
”原因にとらわれない”こと。
そして、
「完治させることができる!」
と、あなた自身が
信じてあげる。
 その方が、心も体も喜んでくれるんですね。
最後まで、
読んでいただきまして、
ありがとうございました。
今日も、あなたの心が、
穏やかに過ごせますように!